2009年12月14日

税務調査

税務調査とは、相続税納税者が申告した内容が正しいものか、申告漏れなどがないかをチェックするために行われるものです。

日本の納税制度は自己申告が原則となっており、自分が納める税金について、税法に基づいて自分で財産額と税額を計算し、自分で申告することが義務付けられています。

しかし、すべての納税者が正確な申告を行っているとは限りません。

そこで、申告納税制度の公正な適用を維持する上で、 納税者が申告した内容が正しいかどうかを確認することが必要となります。

そのために行われるのが税務調査なのです。

さて、相続税の税務調査はどうなのか?

相続税の申告書を提出すると、半年から2年以内に税務調査が行われるケースが多いようです。

毎年、申告書の提出は4万5000件ほどありますが、このうち1万3000件程度に税務調査が入ります。

つまり、約30%の調査割合ということになります。これは法人税4%、所得税1%の実地調査率とは大違いです。

相続税の申告をした方は、その後、高確率で税務調査が入ると言うことを頭にいれておくべきでしょう。

その内容は、所得税や法人税の調査と違って「取りあえず確認のために調査を行う」というレベルではありません。

その証拠に相続税の調査が行われた場合は、約9割の確率で申告漏れが発見されています。

具体的には子供や孫の名前だけを借りた「名義預金」といわれるものがあります。

事前の銀行調査や郵便局調査により遺産の申告漏れを発見してから税務調査に来るため、 このような高確率での修正申告につながるのです。

相続税の申告

相続税は、「相続開始を知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内」に納付しなければいけません。

被相続人の住所の所轄税務署に申告書を提出します。

この期限内に申告・納付しなかった場合は、「加算税・滞納税」の対象になりますので注意が必要です。

遺産分割は時間がかかることが多いのも現実ですが、法律では10ヶ月と定められていますので、遺産分割がまとまらないので相続税が払えないといった、各自の事情は考慮されません。

もしもこの期限内に遺産分割がまとまらなかった場合は、とりあえず未分割のまま法定相続分で相続したとして申告、納税し、後日、改めて申告することとなります。

相続税早見表

相続税がどれくらいかかるのかと疑問に思われる方も多いかと思います。
下記の相続税早見表でおおまかな相続税額をご確認下さい。

配偶者がいる場合

※ 単位は千円です。
※ この表は、配偶者が遺産の2分の1を取得した場合の計算です。
※ 税額控除は、配偶者の税額軽減以外にはないものとしました。

相続税早見表【配偶者がいる場合】

配偶者がいない場合

※ 単位は千円です。
※ 法定相続人の中に相続を放棄した者があるときは、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数。
※ 養子がある場合には、養子の数は、実子がある場合には1人、実子がない場合には2人に制限されます。
(ただし、税負担回避の養子は認められません。)
※ 負担率は小数点以下、税額は1万円未満を四捨五入しました 。

相続税早見表【配偶者がいない場合】

控除の種類

相続税による税額控除は6種類あり、税額控除が適用されると、その分については控除されます。

つまり当てはまるものは全て適用を受けたほうがいいでしょう。

1. 配偶者控除(配偶者の税額軽減)

1. 配偶者が相続する割合が法定相続分以下の場合は相続税はかかりません。
2. 配偶者が相続する財産が1億6,000万円以下の場合は相続税はかかりません。
のどちらか高い方になります。
但し、この制度を利用するためには、原則として期限内(10ヶ月以内)に遺産分割協議を完了させて、相続税の申告と納付を済ませておかなければなりませんのでご注意ください。

2. 未成年者控除

法定相続人に未成年者がいる場合は、未成年者が20歳に達するまでの年数1年につき、6万円が控除されます。
※相続開始時の年齢が1年未満の端数は1年として計算します。
6万円×(20歳-相続開始時の年齢)=未成年者控除額

3. 贈与税額控除

贈与税額控除とは、贈与税と相続税の二重課税を防止するために設けられている規定です。
相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象として加算されますが、贈与税を既に払ってる場合には相続税から控除できます。

4. 障害者控除

1. 法定相続人が一般障害者の場合は、対象者の年齢が満70才になるまでの年数1年につき6万円が控除されます。
6万円×(70歳ー相続開始時の年齢)=一般障害者控除
2. 法定相続人が特別障害者の場合は、対象者の年齢が満70才になるまでの年数1年につき12万円が控除されます。
12万円×(70歳ー相続開始時の年齢)=特別障害者控除
※相続開始時の年齢が1年未満の端数は1年として計算します。

5. 相次相続控除

相次相続とは、相次いで相続が起きる事をいい、短期間に相次いで相続があった場合における加重負担を防ぐために設けられています。
10年以内に2回以上の相続が続いたときは、前回の相続にかかった相続税の一定割合を、今回の相続税額から控除できます。

6. 外国税額控除

相続により取得した財産が国外にある場合、その国外財産について相続税に相当するものが課税されている場合は、二重課税を防止するために国内で一定の税額を相続税額から控除できます。

相続税とは

相続税とは、相続または遺贈により財産を取得する際に、一定以上の財産がある場合に相続する遺族に課せられる税金です。
相続税には、基礎控除があります。

遺産の評価額から故人の債務(借金など)や葬儀費用を控除した課税価格の合計が、基礎控除の金額以下であれば相続税はかかりません

相続で得た財産 - 債務や葬式費用 = 課税価格の合計額≦基礎控除額
※基礎控除額とは3,000万円 + 法定相続人数 × 600万円

計算例

相続で得た財産 9,000万円
借金 0円
葬儀にかかった費用 500万円
相続人 4人

3,000万円 + 600万円×4人 = 5,400万円(基礎控除額)
9,000万円 – (0円+500万円) = 8,500万円(課税価格合計)

8,500万円(課税価格の合計) ≧ 5,400万円(基礎控除額)

この場合、課税対象額の合計が基礎控除額よりも多いため、相続税が発生します

相続税の計算は、課税遺産総額を各相続人が民法の規定により法定相続分に応じて取得したものとみなして、各人ごとの相続税を求めます。これらを合計したものが相続税の合計となります

ただし、実際の遺産の持分は法定相続通りにはいかないこともあります。

算出が難しい場合もございますので、専門家に相談することをおすすめします

Copyright(C)2009 岡山相続相談センター. All Rights Reserved.